2007年秋の歌曲の例会
ゲーテとシューベルト
曲 目
「クレールヒェンの歌」「悲しみの喜び」「ミニョンの歌:ただ憧れを知る人のみ」
「さすらい人の夜の歌」「姿を変える恋人」「遠ざかった人へ」
「御者クロノスへ」「狩人の夕べの歌」「羊飼いの嘆きの歌」「恋人の近くで」「魔王」
「ミューズの子」「湖上にて」「ガニュメート」「月に寄せてU」「プロメテウス」
演 奏
ソプラノ 飯野幸子、菱田浩子 ピアノ 阪本田鶴子
テノール 畑 儀文 ピアノ 渡辺治子
2007年11月18日(日)pm2:00開演
会場:カルラ・ホール 参加費 3000円
ゲーテとシューベルト──その目に見えぬ絆
「日本語で歌うシューベルト」、今回は、ゲーテ・ソングを16曲という企画。
おなじみ、実吉晴夫さんの邦詩13曲に加えて、飯野幸子さんの「クレールヒェンの歌」
と、解説の杉山広司の「遠く去った人へ」、「月に寄せて」が、邦詩で初めて演奏されました。
今後も、こうやって、少しずつ協会の邦詩ライブラリーに付け加えられていくことでしょう。
飯野さんの「ミニョンの歌」は、例会では前回の「ふるさとは南の国」についで、いわば
彼女の「シリーズ」ものになりつつあります。
菱田さんの「さすらい人の夜の歌」(D768)は、あまり女性は歌わないそうですが、
ソプラノによる「憩いの歌」もなかなかのものだと思いました。
畑さんの、あいかわらず明確な日本語の発声は、その歌唱力と相俟って、詩の持つ意味を
分りやすく、情感を持って、私たちの心に届けてくれました。
また、阪本さん、渡辺さんによる演奏は、シューベルトの歌曲の場合、ピアノは、決して
伴奏しているのではなく、まさしくデュオであることを、納得させてくれました。
ゲーテの詩の持つ魅力を私たちのものとする、最も分りやすい方法が、
シューベルトの歌曲を通じてであるということが、納得のいった例会であったと思います。
ゲーテとシューベルトの間の、目に見えぬ絆とは何だったのか、解説に興味のある方は
こちらをどうぞ。 「ゲーテとシューベルト」