2008年夏の例会

 

ピアノ連弾の午後

 

              曲目

 

ピアノ・ソナタ 第16番 イ短調 D845

             演奏   大原 亜子

 

                 ピアノ連弾のためのロンド イ長調  D951

        ピアノ連弾のための幻想曲 ヘ短調 D940

 

    演奏   大原 亜子               

         矢澤 一彦

 

        2008年7月5日(土)午後2:00

               会場:カルラ・ホール     

            

       

ピアノ・ソナタの中で、最初に出版されたのが、この日の例会で最初に演奏されたピアノ・ソナタ第16番で、この譜面の表紙にはフランス語で「大ソナタ第1番」と書かかれており、あのルドルフ大公に捧げられている。それまでの自然な感情の発露、いわば日記体のソナタから、表現としての、自立したソナタへというシューベルトの思い入れそのままに、大原さんのこのソナタへの取り組みようにも、とても意欲的なものが感じられました。

 丁寧な演奏の中に、時として、逼迫した心の動きがあふれ出るといった風に、そしてまた、第2楽章の変奏曲の部分からは、シューベルトのようやくにして辿りついた、透明な安らぎの世界を垣間見せてくれたように感じとられたのは、この日の収穫のひとつでありました。

 普段、生では中々聴く機会を持てないせいもあって、この日の会員の皆さんの感想が、ピアノ連弾曲の方へ傾いたのも無理ないことだったかもしれません。

とりわけ、幻想曲の熱演は、多くの人の心を動かしたようで、次回へのリクエストが数多く寄せられました。連弾シリーズとして是非実現したいものです。

 

当日の解説に興味のある方はこちらをどうぞ。 



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