\:四手用ピアノ曲(ピアノ連弾曲)

a:行進曲

1:D602四手用ピアノのための3つの英雄的行進曲、作品27。
1818年または1824年ゼレチュにて作曲。
第一番:アレグロ・モデラート+トリオ、h−G,4/4拍子・アラ・ブレーベ(33+28小節)。
第二番:マエストーソ+トリオ、C−As,4/4拍子・アラ・ブレーベ(88+27小節)。
第三番:モデラート+トリオ、D−d,4/4拍子・アラ・ブレーベ(59+37小節)。
初版は1824年(ザウアー&ライデスドルフ書店発行)。
註:第一番に対してシューベルトは、シラーの「戦闘(D249およびD387)」に付けた導入部のマーチを使っている。

2:D819:四手用ピアノのための6つの大行進曲、作品40。
1818年または1824年ゼレチュにて作曲。
全曲がトリオつきの行進曲。
第一番:アレグロ・マエストーソ、Es−As,4/4拍子(50+29小節)。
第二番:アレグロ・マ・ノン・トロッポ、g−G,4/4拍子(36+35小節)。
第三番:アレグレット、h−H,2/4拍子(122+68小節)。
第四番:アレグロ・マエストーソ、D−G,4/4拍子(65+35小節)。
第五番:アンダンテ、es−Es,4/4拍子(84+47小節)。
第六番:アレグロ・コン・ブリオ、E−C,4/4拍子(61+44小節)。
初版は1825年(ザウアー&ライデスドルフ書店より2冊に分けて発行)。

3:D733:四手用ピアノのための3つの軍隊行進曲、作品51。
1818年夏から秋にかけてゼレチュで作曲?
全曲がトリオつきの行進曲。
第一番:アレグロ・ビバーチェ、D−G,2/4拍子(64+42小節)。
第二番:アレグロ・モルト・モデラート、G−C、4/4拍子(21+12小節)。
第三番:アレグロ・モデラート、Es−As,4/4拍子(45+25小節)。
初版は1826年(A・ディアベリ書店発行)。

4:D859:四手用ピアノのための大葬送行進曲ハ短調、作品55。
1825年12月1日ロシア皇帝アレクサンドル1世の葬儀によせて作曲。
アンダンテ・ソステヌート+トリオ、c−As,4/4拍子・アラ・ブレーベ(80+44小節)。
初版は1826年(A・ペンナウアー書店発行)。

5:D885:四手用ピアノのための英雄的大行進曲イ短調、作品66。
1825年12月または1826年1月に作曲。
マエストーソ+トリオ、a−e,4/4拍子(48+35小節)−アレグロ・ジュースト+トリオ、a−F,4/4拍子(48+28+48小節)−コーダ(59小節)。
初版は1826年(A・ペンナウアー書店発行)。
註:この行進曲は1826年9月3日ロシア皇帝ニコライ1世の戴冠式を記念して出版された。

6:D886:四手用ピアノのための2つの性格的行進曲ハ長調、作品121、遺作。
作曲年月日不明。現在はD968のBとなっている。
第一番:アレグロ・ビバーチェ+トリオ、C−a,6/8拍子(126+44小節)。
第二番:アレグロ・ビバーチェ+トリオ、C−a,6/8拍子(128+36+154小節)。
初版は1829年(A・ディアベリ書店発行)。

7:D928:四手用ピアノのための行進曲ト長調、(「子供の行進曲」)。
1827年10月12日作曲。
行進曲+トリオ、G−c,2/4拍子(24+24小節)。
初版は1870年(J・P・ゴタール書店発行)。
註:この行進曲は、シューベルトをグラーツに招待したパハラー夫人の息子ファウストのために作曲されたもので、1827年11月4日に母親と一緒に演奏したといわれる。

b:序曲、ソナタ、ロンド、変奏曲。

8:D675:四手用ピアノのための序曲へ長調、作品34。
1819年11月作曲?
アダージョ−アレグロ、f−F,3/4−4/4拍子・アラ・ブレーベ(28+240小節)。
初版は1825年(カッピ書店発行)。

9:D597:四手用ピアノのための「イタリア様式」の序曲ハ長調。
これはD591の編曲で1817年11月または12月に作曲。
初版は1872年(J・P・ゴタール書店発行)。

10:D592:四手用ピアノのための「イタリア様式」の序曲二長調。
D590の編曲。1817年12月作曲。
初版は1872年(J・P・ゴタール書店発行)。

11:D617:四手用ピアノのためのソナタ変ロ長調、作品30。
1818年夏から秋にかけてゼレチュにて作曲。
第一楽章 アレグロ・モデラート、変ロ長調、4/4拍子(170小節)。−第二楽章 アンダンテ・コン・モート、二短調、2/4拍子(112小節)。−第三楽章 アレグレット、変ロ長調、6/8拍子(191小節)。
初版は1823年(ザウアー&ライデスドルフ書店発行。パルフィー・デルデード伯爵に献呈)。

12:D812:四手用ピアノのためのソナタ、ハ長調、作品140、遺作。(「グランド・ドゥオ」)。
1824年6月ゼレチュで作曲。
第一楽章 アレグロ・モデラート、ハ長調、4/4・アラ・ブレーベ(379小節)。−第二楽章 アンダンテ、変イ長調、3/8拍子(250小節)。−第三楽章 スケルツォ(アレグロ・ビバーチェ)+トリオ、C−f,(164+72小節)。−第四楽章 アレグロ・ビバーチェ、ハ長調、2/4拍子(566小節)。
初版は1837年(A・ディアベリ書店発行)。

13:D951:四手用ピアノのためのロンド、イ長調、作品107。
1828年6月作曲。
アレグレット・クワジ・アンダンティーノ、2/4拍子(310小節)。
初版は1828年(アルタリア書店から「グランド・ロンド」として発行)。

14:D608:四手用ピアノのためのロンド、二長調、作品138、遺作。
2つのバージョン。1818年1月作曲。
アレグレット、3/4拍子(356小節、第二バージョンは245小節)。
初版は1834年(A・ディアベリ書店発行、第二バージョン)。

15:D624:四手用ピアノのためのフランス歌曲につけた8つの変奏曲ホ短調、作品10。
1818年9月ゼレチュにて作曲。
テーマ:アレグレット、4/4拍子(16小節)+8つの変奏曲(17−275小節)。
初版は1822年(カッピ&ディアベリ書店発行、ベートーベンに献呈)。
註:このテーマのメロディーはフランス語のロマンス「ル・ボン・シュバリエ」からとったもので、独・仏両語のテキストが1817年ライプチヒで出版されている。作曲者としては、ナポレオンの兄弟ルイの王妃オルタンスだとされている。

16:D813:四手用ピアノのための自作のテーマによる8つの変奏曲変イ長調、作品35。
1824年5月から7月なかばにかけてゼレチュにて作曲。
アレグレット、変イ長調、4/4拍子(24+253小節)。
初版は1825年(ザウアー&ライデスドルフ書店発行、ベルヒトルト伯爵に献呈)。

17:D908:四手用ピアノのためのエロルドのオペラ「マリー」のテーマによる8つの変奏曲、作品82の1。
1827年2月作曲。
アレグレット、ハ長調、4/4拍子・アラ・ブレーベ(24+296小節)。
初版は1827年(トビアス・ハスリンガー書店発行、カイェタン・ノイハウスに献呈)。
註:このテーマは、エロルドのオペラの第十曲「導入と二重唱」から採られたものである。

18:D603:四手用ピアノのための序章と自作のテーマとフィナーレにつけた4つの変奏曲、変ロ長調、作品82の2、遺作。
作曲年月日不明。968のA参照:四手用ピアノのための序章および自作のテーマとフィナーレにつけた4つの変奏曲、変ロ長調、作品82の2。
もとはD603。
序章、モデラート、変ロ長調、4/4拍子(34小節)。−テーマと4つの変奏曲、モデラート、変ロ長調、2/4拍子(16+84小節)。−フィナーレ、ビバーチェ、変ロ長調、3/8拍子(200小節)。
初版は1860年(ユリウス・シューベルト書店発行、ハンブルク)。
 

D668:四手用ピアノのための序曲ト短調。
1819年10月作曲。
アダージョ−アレグレット、4/4拍子・アラ・ブレーベ−2/4拍子(44+421小節)。
初版は1897年(全集版)。

bの2:ディベルティスマン、ポロネーズ、幻想曲、レントラー、その他。

19 : D818:四手用ピアノのためのディベルティスマン・ア・ラ・オングロワーズ(ハンガリー風デヴェルテスマン)、ト短調、作品54。
1824年秋ゼレチュにて作曲?
第一楽章 アンダンテ、ト短調、4/4拍子(151小節)。−第二楽章 マルチャ(アンダンテ・コン・モート)+トリオ、c−As,2/4拍子(28+24小節)。−第三楽章 アレグレット、ト短調、2/4拍子(481小節)。
初版は1826年(マティアス・アルタリア書店発行)。
註:これはシューベルトが、2度目のゼレチュ滞在(1824年3月末から10月なかば)のときに作曲されたものである。

20〜22:D823:四手用ピアノのためのフランスのメロディーに基づくディベルティスマン、ト短調、作品63および作品84。
第一楽章は、作品63として、1826年6月17日に発行。第二楽章と第三楽章は、作品84として、1827年7月6日に発行。
第一楽章 テンポ・ディ・マルチア、ハ短調、4/4拍子(296小節)。−第二楽章 テーマと4つの変奏曲、アンダンティーノ、ホ短調、4/4拍子・アラ・ブレーベ(115小節)。−第三楽章 ロンド、アレグレット、ホ短調、2/4拍子(497小節)。
初版は1826年(カデウス・ワイクル書店発行、第一楽章のみ作品63の1として)、1827年(カデウス・ワイクル書店から第二楽章と第三楽章を作品84として2冊で発行)。

23:D947:四手用ピアノのためのアレグロ、イ短調(「人生の嵐」)、作品144、遺作。
1828年5月作曲。
アレグロ・マ・ノン・トロッポ、4/4拍子・アラ・ブレーベ(623小節)。
初版は1840年(A・ディアベリ書店より「人生の嵐、性格的なアレグロ」として発行)。

 



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