2005年 秋の例会

ピアノソナタ「幻想」と連弾の午後


日時:2005924日  午後2開演  午後2開演

会場:新大久保 スタジオヴィルトゥオージ

独奏

  ピアノソナタト長調D894

                                                                                                  長井充

ピアノ連弾

  3つの軍隊行進曲D733

  ロンドニ長調D608                   森久保真佐子
                               阪本 田鶴子
                  
    子供の行進曲D928  
                                             鈴木久美
                                             鈴木拓道

ナビゲーター                       川村幸枝  太田展子                                                                                                         

 

今回の例会では、長井充さんによる、ピアノソナタD894「幻想」を、後半は、会員の阪本田鶴子さんと、ご友人の森久保真佐子さん、鈴木久美さん、拓道君親子にピアノ連弾を演奏していただき、それぞれの曲の解説やエピソ−ドなどを、会員の太田と川村が、ト−ク形式で紹介しました。

 
70歳になられる長井氏の演奏は、最近の若いピアニストにありがちな、音楽の外側だけを巧みに飾りたてたものでない、自然な音楽の流れと作曲者への真摯な気持ちの伝わる、円熟した演奏で、聴衆を魅了しました。氏の演奏は、音楽を演奏する際、それが生きているもの、生命のこもったものとして再現することの大切さと、シュ−ベルトの頭の中にあった曲の姿に迫ろうとする努力の大切さつまり、決して自分の勝手な思いを曲に持ち込んだり、指の動きを見せびらかすために、曲を利用してはならないということを、改めて私達に感じさせてくれるような演奏でした。

 
後半は、お馴染みの「軍隊行進曲」と、美しい「ロンドニ長調」を、阪本さんと森久保さんお二人の、友人同士による息の合った演奏で、華麗な連弾の世界を楽しむことができました。
そして、真ん中に演奏された「子供の行進曲」では、シュ−ベルトがこの曲を捧げたファウスト君と同じ年齢の、鈴木拓道君が登場。小さいながらも、きれいな音色と的確なリズム感、メロディ−も素直に良く歌われ、そんなお子さんの演奏を暖かく見守り、しっかりと支える鈴木久美さんの姿も微笑ましく、聴衆の心を和ませる素敵な親子連弾となりました。

コンサ−ト終了後は、引き続き同会場で懇親会が開かれました。お馴染みのシュ−ベルトワインが置かれたテ−ブルを囲み、演奏家と参加者が、音楽談義に花を咲かせ、楽しいひとときを過ごしました。                

「歌曲王」と称されるシュ−ベルトですが、未完成の作品も含めて21曲のピアノソナタ、40曲の連弾及び8手用ピアノ曲、その他数百曲に及ぶ,舞曲やレントラ−、変奏曲などのピアノ曲を作曲しています。けれども、ごく一部の作品を除いて、一般のピアノリサイタルなどで、それらの作品が演奏されることは滅多にありません。シュ−ベルト協会では、今後、それらの作品を少しずつ取り上げ、シュ−ベルトの音楽を愛する皆様と共に、彼のピアノ曲を楽しむコンサ−トを開催できるよう、努力して参りたいと思っております。(運営委員:太田記)
                                                                                        


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