■国際フランツ・シューベルト協会 200610月 秋の例会■

テノールの畑儀文さんをお迎えしておくる

邦詩でうたうハイネ「白鳥の歌」と「詩人の恋」

      Schubert & Schumann

           ピアノ/渡辺治子

開催日時 20061029日(日曜日)午後2開演 

■会場/               参加費 3000

■演奏曲目

 シューベルト 「白鳥の歌」Schwanengesang  D.957より

  アトラス Der  Atlas

    かの女の肖像 Ihr Bild

    漁師の娘 Das Fischermaedcen

  都市  Die Stadt

  海辺で  Am Meer

  ドッペルゲンガー(生霊) Der Doppelgaenger

 

 シューマン  「詩人の恋」Dichiterliebe 全曲

 

 

■「ローレライ」や「歌の翼に」の原詩者としてもよく知られるハイネ —— その名は恋愛詩人の代名詞ともなり、わが国でも、明治以来多くの人々に愛され親しまれてきました。 

 ハインリッヒ・ハイネ(Heinrich Heine)はシューベルトと同じ1797年、ドイツのデュッセルドルフにユダヤ人商人の子として生れました。ドイツロマン派から出発した抒情詩人として恋愛詩の傑作をを沢山残しましたが、同時に人類解放の理想を追う「革命的国民詩人」であったため、故国を離れフランスに亡命します。小説家、評論家、思想家としても多大な業績を残し、シューマンの死んだ年と同じ1856年、59歳で亡命先のフランスで波乱の生涯を閉じました。

 このハイネの初期の詩集「歌の本」(Buch der Lieder )から生まれた二つの歌曲集が、今回例会で取り上げるシューベルトの「白鳥の歌」とシューマンの「詩人の恋」です。

 従姉妹への失恋が契機となって生まれたというこの抒情詩集は1827年刊行されるや、ハイネの名声は一挙に高まり、ウイーンでも評判となります。 1828年この詩集と出会ったシューベルトは、「帰郷」という連作詩の中から六つの詩を選んで作曲します。、死後「白鳥の歌」という名で刊行された連作歌曲の後半をいろどる 六曲のハイネの歌です。この出会いを音楽学者A・アインシュタインは「ゲーテ以来絶えてなかった真実の抒情詩人との出会い」といっています。

 シューベルトの死後未発表のピアノ曲や交響曲をいち早く紹介し、彼の拓いた芸術歌曲の道を継ぐシューマンも又、この詩集「歌の本」からインスピレーションを受けて16の詩に付曲、1844年「詩人の恋」と名づけて出版します。

 音楽史上に不朽の名を刻んだ、この二つのハイネの連作歌曲を、今回は実吉晴夫邦詩で聴いていただこうと思います。同じハイネの詩であっても、一曲一曲に小宇宙があるといわれるシューベルトの歌の世界と、一つなぎの美しい首飾りとして成り立っているシューマンの連作歌曲は又ちがった趣があります。ハイネの詩を通してそれぞれの音楽性の共通するところ、そしてまた違いを味わっていたたければと思います。

 

 歌は、テノールの畑儀文さん、ピアノは渡辺浩子さんです。畑さんは、毎年兵庫県丹波でシューベルティアーデたんばを総合プロデュースされるほどのシューベルティアン。この秋、8年かけて女声の歌も含む、シューベルトの全歌曲を歌うという世界初の試みをスタートされるとこと。又、ここ数年来、実吉邦詩による「冬の旅」や「白鳥の歌」のみならず、「魔王」などの有名名曲やコミック三重唱「結婚式の焼き肉」などまで、日本語で歌うたのしさ、聞く楽しさを一人でも多くの人に知ってもらいたいと、機会あるごとに、歌われています。

 

 深まる秋の午後のひとき、ハイネとシューベルトとシユーマンの歌に耳と心を傾けていただければ幸せです。お知り合いの方むなどお誘いあわせの上、お出かけ下さいますよう、心よりお待ちしております。

 

参加予約申込み 下記宛てに電話またはFAXでお申し込み下さい。

  協会のHPからも申し込めます。        

   国際フランツ・シューベルト協会   

     〒101-0051千代田区神田神保町2-32前川ビル メタモル出版内

                TEL 03-3234-9328   FAX 03-3234-1097  担当:石川 

         ホームページ    http://www1.odn.ne.jp/aaj2564/index4.htm

■演奏家プロフィール

畑儀文(テノール)●1956兵庫県篠山市生まれ。大阪音楽大学大学院修了。小林道夫の伴奏による初リサイタルを行う。以後、ペーター・ダム(ホルン)、イエルク・デームス(ピアノ)と数多くのリサイタルを開き、注目を集める。日本テレマン協会ソリスト、シューベルティアーデ・ジャパン代表。武庫川女子大学音楽学部教授。1993年から1999年にかけシューベルト歌曲全演奏を成し遂げ、国内外で話題を集める。田原祥一郎、マックス・フォン・エグモント、ヘルマン・クリスティアン・ポルスターに師事。近年、ライプチツィヒニコライ教会でバッハ作品のソロを務める。「大阪文化祭本賞」、「咲くやこの花賞」、「大阪府民劇場奨励賞」「坂井時忠音楽賞」「兵庫県芸術奨励賞」など多数の賞を受賞。CDに「美しき水車屋の娘」「日本のうた」、「シクラメンのかほり 新しい日本のうた」(日本コロムビア)等がある

渡辺治子(ピアノ)●東京芸術大学別科修了。チェコ共和国政府給費奨学生としてプラハに留学。プラハ芸術アカデミーにおいて室内楽の巨匠として名高いヤン・パネンカ氏のもとで研鑚を積む。帰国後各地でリサイタルを行いソリストとして活動するかたわら、シュトゥットガルト室内管弦楽団、チェコフィル六重奏団などとの室内楽の共演も多く、パネンカの音を受け継ぐアンサンブルピアニストとしても活躍している。’02年ドボルザーク国際音楽祭に日本人ソリストとして初めて招待を受け好演、03年、04年も続けて出演している。チェコフィルメンバーと CDがリリースされ、チェコフィル室内楽シリーズの1枚に選ばれている。


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