2007年夏の例会
シューベルティアン・ラプソディ
曲 目
第一部【東欧の風】 第二部【マイ・フェイバリット・第2楽章】
即興曲 第3番 変ト長調 D899-3 ピアノ協奏曲第21番 (モーツァルト作曲)
セレナーデ D957-4 アルペジョーネ・ソナタ D821
ハンガリアン・メロディ D817
ピアノ・ソナタ ホ短調 D566
チャルダッシュ(モンティ作曲) ピアノ・ソナタ
イ長調 D959
ユーモレスク(ドボルザーク作曲)
即興曲 第2番 変イ長調 D935−2
ドナウ川のさざなみ(イヴァノヴィッチ作曲)
ピアノとお話し 水 上 裕 子
2007年7月21日(土)pm2:00開演
会場:カルラ・ホール
今回の例会の秀眉は、何といってもシューベルトの2楽章メドレーでしょう。それは、もう
「メドレー」どころではなく、まるで一個の「ピアノ・ソナタ」であったかのようでありました。
聞こえてくるそれぞれの楽章は、耳に馴染んだメロディなのですが、それが、本来の居場所を離
れて、それぞれの楽章に、納まっているかのように聞こえてくる摩訶不思議さは、それはそれは、
奇跡的とも言える体験でありました。
そこには、むろん、水上さんの魔術が働いているわけで、そのひとつは、3楽章にイ長調ソナタ
の2楽章を持ってきたことであり、そして、第4楽章の即興曲を、アレグロで演奏したことだと、
何とか解析して見たものの、それだけで、あの奇跡が実現するとは、とても思えないほどの摩訶
不思議さでありました。
会員のひとりは、イ長調ソナタの2楽章が、あれほどの深みを持った楽章だったのかと、新しい
発見をしたように驚き、確かに、単純な2楽章に納まるほど一筋縄ではいかない楽章だったのだ
と当たり前のように思い知らされました。
自らの破天荒な生活体験のお話と相俟って、作曲家・水上裕子の予想外の一面を見させて頂くと
いう、近来稀な、「楽興の例会」となりました。
またぜひ、実現したいものです。