2009年春の例会
ドイツ詩の朗誦と歌曲
バリトン 小笠原美敬 ピアノ 小木曽美津子
曲 目
「湖上にて」「アリンデ」「地獄から来た群衆」
「遠ざかった人へ」「シルヴィアに」「若者と死」「ねずみ捕り」
2009年3月14日(土)pm2:00開演(1:30開場)
会場:カルラ・ホール
ドイツ詩の朗誦とシューベルト歌曲
「野ばら」と「湖上にて」をドイツ語で朗誦し、ゲーテの原詩の持つリズムとその転換といったことを、とてもていねいに解説された小笠原さん。決して、大学の先生のように巧みな語り口ではありませんでしたが、そのていねいさと熱意が、ドイツ語の分からない私たちにも、どうやらそのとば口に立たせてくれたようです。原詩の持つリズムは、そのまま曲のリズムになるわけではないが、リズムの転換と共に、曲の音型の変化や転調という音楽的処理でシューベルトが浮き彫りにしている様子を、ピアノの伴奏を再現したりして見せて、分かりやすく、私たちに伝えてくれました。今までの例会ではあまりなかった、楽曲分析のような解説でした。
続いて、邦詩と原詩による歌曲の連続演奏という試み。これには、賛否両論ありましたが、総体としては、邦詩による歌曲演奏の持っている力は、実証されたように思いました。
今回の選曲はいささか地味で、あまり知られていない曲も多かったので、一層その意味合いは大きかったようです。もっとも、もっとポピュラーなプログラムをという声があったことも確かですが。
小笠原さんのバス・バリトンの魅力、そして歯切れのいい小木曽さんのピアノ演奏と相俟って、次回への期待を抱かせる例会であったと思われます。
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