「休息」(「冬の旅」第十曲)
W・ミュラー詩
Y・C・M邦詩
疲れを初めて知る
この安らぎ
疲れを忘れて
旅を続けた
足も止められない
あまりの寒さ
背中の荷物も
苦にならない
大嵐に急き立てられ
背負った荷物も
忘れるほど
大嵐に吹かれた日々
炭焼きの小屋に
ねぐらを見つけた
手足を伸ばすと
傷が痛み出す
嵐にもまれて
忘れた傷が
おお、この時
初めてうずき出す
熱い針に突き刺される
ああ、静かな
休みのひとときに
恋の痛みが目覚める
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