カーストのページ

caste(英), Kaste(独), varna(印)

階級名 : 発生源 : (万物の作り主の身体の一部) 標識 :(額に刺青で刻印する) 務め : (「マヌの法典」による)。
ブラフマナ(婆羅門=僧侶) 白○ ヴェーダの教えと学習、祭式の執行、お布施の授受など。
クシャトリヤ(王侯・貴族・武士) 国民(市民)の保護、施し(貧民救済)、犠牲を供えること、ヴェーダの学習など。
ヴァイシャ(農工商) 牧畜、商業、金融、農耕、犠牲を供えること、ヴェーダの学習など。
スードラ(奴隷) 黒● 奉仕=上の3階級(ドヴィージャ)にひたすら仕えること。
チャンダラ(不可触賎民) 汚物 無印 「アンタッチャブル The Untouchables」と見なされ、社会から隔離されて暮らす。
  それぞれ万物の作り主の身体の部分から発生した、と考えられた。 それぞれ額に刻印(刺青)して識別した。  

 

「結婚形態の八等級」 : (「マヌの法典」による)

名称と等級(最高から最低まで) 形態 : (「マヌの法典・第3章・結婚」の本文から)。 21世紀ニッポン列島の名称乃至類似形態
1: ブラーフマ婚 「ヴェーダに精通し、しかも性格のよい男子を招いて娘を与えることは、ブラフマンの生き方(カルマ)である」。 師匠(グル)から弟子が娘を譲り受けて結婚し、その後を継ぐ。
2: ダイヴァ婚 「神聖な儀式を行なっているさなかに、娘を立派に飾り立てて相手の男に添わせるのは、神々の心にかなう生き方である」。 「神前乃至仏前結婚」。
3: アールシャ婚 「正しい伝統に従って、一対乃至二対の牛を花婿から贈られて、それを受け取る代わりに、正当な報酬として娘を与えるのは、上流階級にふさわしい生き方である」。 「玉の輿」または「逆玉の輿」。
4: プラジャーパテイヤ婚 「新郎新婦二人ともに、定められた伝統に従って生きることを誓わせてから、娘を嫁がせるのは善良な市民にふさわしい生き方である」。 いわゆる「お見合い」による結婚に近い。
5: アスラ婚 「娘の親族と娘自身に礼をつくした上十分な金品を与えて、伝統に従うためではなく、己の欲望を満たすために結婚するのは、アスラ(阿修羅)にふさわしい生き方である」。 「援助交際」による愛人関係からの結婚。
6: ガンダルヴァ婚 「花嫁と花婿が自分たちの意思だけで結ばれて結婚するのは、自由奔放な妖精たち(ガンダルヴァ)にふさわしい生き方であり、目的は肉欲と愛欲の満足にある」。 いわゆる「恋愛結婚」乃至「できちゃった結婚」。
7: ラークシャサ婚 「娘の家族を殺し、家庭を破壊し、泣き叫ぶ娘を家族から強奪するのは、ラークシャス(羅刹)にふさわしいやり方である」。 略奪・強盗・拉致・監禁による結婚。
8: ピシャーチャ婚 「娘が熟睡している時、泥酔している時、または精神状態がおかしくなっている時に、それを利用して密かに犯すのは、あらゆる結婚形態の中でも、もっとも邪悪で低級なやり口であって、最低の生き物であるピシャーチャ(生肉を食う悪魔)にふさわしい」。 強姦または準強姦による結婚。

→「シャクンタラー」へ戻る