「水の上で歌う」
レオポルド・G・シュトルベルク詩 Y・C・M邦詩
鏡のような波の上を、一人すべる小舟に
ユラリユラリ揺られてる、この心も舟のよう
ユラリのユラリ揺られてる、この心も舟のよう
遠くの空の向こうから、赤い夕日が舞って来る
赤い夕日が舞って来る
西の杜(もり)の梢には、空を染める茜雲
東の杜の小枝には、赤い菖蒲が揺れてる
東の杜の小枝には、赤い菖蒲が揺れてる
杜も空も日を受けて、真っ赤に染まるたそがれ
真っ赤に染まるたそがれ
露のような翼に乗って、舟のように時は行く
きらめくような翼に乗って、時は今日も消えて行く
きらめくような翼に乗って、時は今日も消えて行く
鳥のように飛べたなら、この私も消えよう
時を翔けて消えよう。
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