「春の夢」(「冬の旅」第11曲)

W・ミュラー詩

Y・C・M邦詩


私の見た夢、花咲く春の日

緑の草原に、さえずる小鳥あまた

楽しい歌声。

にわとりが鳴き、ふと目が覚める

寒くて暗い、カラスが鳴いてる

寒くて暗い、カラスが鳴いてる。

でも窓際に花が描かれて

旅人の目を休ませている

夢を見る男を、笑っておくれ

笑っておくれ。

私の見た夢、美しい乙女

くちずけを交わす、楽しい毎日

しあわせな春の毎日。

にわとりが鳴く、ふと目が覚める

私は一人、夢を見るだけ

私は一人、夢を見るだけ。

また目を閉じても、胸ははずむ

また目を閉じても、胸ははずむ

夢よもう一度、あの娘(こ)はこの手に

いつの日か帰る・・・。



 

→「文化史的考察2」へ戻る

→「冬の旅の世界パート2」へ戻る