「鳩の使い」(D957−14)

ザイドル詩

Y・C・M邦詩

鳩を一羽飼っていた

私に忠実な

わき目もふらずに

飛んでってくれた

数え切れぬほど

何度も飛ばした

目指すあの窓へ

あの娘(こ)の家に

あの娘(こ)の家に

あの娘(こ)の窓の下で

姿に見とれ

私の挨拶を

伝えてくれた

便りはもうおしまい

残るは涙

おまえの役目は

もうおしまいだ

もうおしまいだ

夜も昼も休まず

飛び続ける

それだけが鳩の

生きがいだった

疲れも知らずに

飛び続ける

餌もほしがらず

忠実な鳩

忠実な鳩!

この胸に抱きしめて

キスしてやりたい

その名前、分かる?

恋を運ぶ使いの

名はあこがれ

この胸に抱きしめて

キスしてやりたい

その名前、分かる?

恋を運ぶ使いの

名はあこがれ

 

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