「あふれる涙」(「冬の旅」第6曲)

W。ミュラー詩

Y・C・M邦詩

涙はあふれて、雪に吸われる

冷たい足元に、熱い嘆きのしずくが

静かに落ちてく。

春になれば草花も、風に吹かれ芽を出す

固い氷も融けて流れ、厚い雪も融け出す

厚い雪も溶け出す。

雪でもこの思いを、知っているだろう

涙のあとをたどり、川になって流れてゆけ!

涙の川になれ!

流れ流れ、街に入れ、にぎやかな通りを

熱く燃える涙の川、そこがあの娘(こ)の家

そこがあの娘の家!

 

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