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    7月3日(木)   於 東京・日比谷   マツオスタジオ                      

    シューベルト  弦楽四重奏曲 第14番 ニ短調 「死と乙女」  D810
    ブラームス   弦楽四重奏曲 第1番 ハ短調  作品51−1

     演奏   フィルハーモニーカンマーアンサンブル

          中島 ゆみ子   (ヴァイオリン)
         田村 直子    (ヴァイオリン)
         星 由紀子    (ヴィオラ)
         黒川 正三    (チェロ)

アンコールはない決まりの協会の例会ですが、「死と乙女」の後の熱狂的な拍手は、誘うかのようにしばらく鳴りやみませんでした。フィルハーモニーカンマーアンサンブルのみなさんの熱演は、小さな会場と相俟って、すばらしい迫力と結果を生み出しました。目の当たりにする演奏者の息遣い、探り合うように瞬時互いに交わされる目線、弓づかいのかすかな唸り、それらはいわゆるコンサートとはひとあじ違った「音楽」を、生み出していました。

チェロの黒川さんは、「シューベルト協会の皆さんの前で、ブラームスの四重奏は弾きづらかった」ともらしておられましたが、聴衆の中には、いわゆる「ブラームスの響き」を愉しんだ方たちも決して少なくありません。

 こうして、7月3日のフィルハーモニーカンマーアンサンブルの「死と乙女」の初演は、 五月女さんの初解説ともども、参加者のそれぞれの心に確かな思い出を残していったように思います。  
 ここでは、お出でになれなかった方たちの為に、当日語られた五月女さんの「ブラームスとシューベルト」と題する解説原稿を掲載します。


 

2003年夏 例会 「弦楽四重奏の夕べ」